調査・研究
「ハイブリッドワークにおける雰囲気の共有」に関する論文が電気学会論文誌Cに掲載されました。
2024年07月02日
弊社と青山学院大学野澤研究室が共同で取り組む、ハイブリッドワークにおける雰囲気伝達に関する研究が、2024年7月1日発行の電気学会論文誌C(Vol.144 No.7)に掲載されました。
本研究はハイブリッドワークにおいて、テレプレゼンス技術を用いて在宅者の連帯感や帰属意識を向上させ、孤独感を抑制することを目的としています。本論文では、特に音による雰囲気の共有に注目し、収録したオフィスの音にどのような情報が含まれているかを「コンテクスト情報」と「個人性情報」の2つの要素に分解することで、音に対する印象や効果を定量的に評価可能にすることを提案しています。主要な結果として、コンテクスト情報と個人性情報は共に大きいほど聞いた人の印象に残りやすいことが明らかになり、「雰囲気を感じる」という意味では有効であることがわかりました。一方で、このような明瞭すぎる音は作業中のワーカーにとって迷惑に感じられ、静かな環境に比べて主観的な仕事の効率が有意に低下することがわかりました。
作業中のワーカーの作業効率を下げ、迷惑に感じられるとされた音は、多くのテレプレゼンスで使われています。このような過剰な視聴覚情報が作業妨害に繋がるとする先行研究は古くからありますが、どのような音の構成要素が原因であるかははっきりしていませんでした。本研究は音の構成要素と印象や効果を対応付けることを提案しており、テレプレゼンスにおける情報設計の議論をより精緻に行うことに貢献しています。
【タイトル】Analysis of Sound Field Context Information for Conveying Office Atmosphere
【論文誌】電気学会論文誌C(IEEJ Transactions on Electronics, Information and Systems), Vol.144, No.7
【種別】原著論文(査読付論文)
【URL】https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejeiss/144/7/144_615/_article/-char/en
【著者】Yoshihiro Konagaya[a], Issei Hashimoto[b], Akihito Kobayashi[b], Keigo Iwamoto[b], Kent Nagumo[a], Akio Nozawa[a]([a] :Aoyama Gakuin University, [b] : ZENKIGEN Inc.)