お知らせ / 調査・研究
「第224回ヒューマンインタフェース学会研究会」にて遠隔コミュニケーションのヒューマンインタフェースに関する研究成果を発表
2025年10月27日
ZENKIGENは、弊社の研究員である橋本一生を中心とした研究チームが、2025年10月26日に開催された”第224回ヒューマンインタフェース学会研究会「ヒト・モノ・組織のコラボレーションおよび一般(SIG-COASTER-4)」”において、遠隔にいるユーザ間で感性情報を共有し、非公式なコミュニケーションを活性化させるためのヒューマンインタフェースに関する最新の研究成果を2件報告しましたことをお知らせいたします。
柔軟な働き方を可能にするリモートワークやハイブリッドワークはあたりまえのものになりました。ミーティングツール、チャットツール、クラウドストレージなどテレワークを可能にする技術の発達により、物理的に空間を共有しなくても、効率的に仕事を進めることが可能です。一方で、他者との関わり方の変化には技術や方法論が追いついていない印象を受けています。オンラインでのコミュニケーションは、会議のような公式な場面、もしくは文字越しで行われるしかなく、日常の中で同僚の存在を感じたり、気軽に雑談をすることは容易ではありません。このような状況は孤独感を生み、また関係性の質を低下させると考えられており、従業員個人への影響だけでなく、組織としての力を弱める可能性があります。
この課題を解決するため、我々はテレプレゼンスシステムに注目しています。テレプレゼンスシステムは離れた場所を常に音声や映像で接続し、互いの様子を共有するものです。しかし、ありのままに映像や音声を共有することはプライバシーを侵害する可能性はもちろん、目の前の情報に注目しすぎるあまり、業務への集中を欠いてしまう問題が知られています。そこで、私たちのグループでは、音声や映像を構成する情報を編集することを提案しています。例えば、音声であれば、個人の声の特徴や声から感じられる感情を残しながら、言語的な情報を削除する技術の研究に取り組んでいます。この研究を通して、働く場所に関わらず仲間との繋がりを感じられ、より強い組織を作るためのインタフェース技術の実現を目指しています。
▪️開催概要
開催日時:2025年10月26日
開催場所:北海道大学(北海道札幌市)
研究会HP:https://jp.his.gr.jp/2025/07/24/meeting224/
▪️発表概要
・発表1
GANを用いた表情変換映像がオフィスワーカーの行動と心理に及ぼす影響
峯嶋 智也 (青山学院大学), 橋本 一生, 小林 彰人 (ZENKIGEN), 南雲 健人, 野澤 昭雄 (青山学院大学)
・発表2
無意味化した音声言語情報に対する感情付与手法の提案
安藤 有康 (青山学院大学), 橋本 一生, 小林 彰人 (ZENKIGEN), 南雲 健人, 野澤 昭雄 (青山学院大学)
今後とも、ZENKIGENをよろしくお願いいたします。