お知らせ / 調査・研究

「HCGシンポジウム 2025」にて人事領域のコミュニケーション技術に関する研究発表を行いました

2025年12月15日

弊社R&Dの橋本一生と青山学院大学 野澤昭雄教授を中心とした研究グループが、人事領域におけるコミュニケーション技術に関する最新の研究成果を、HCGシンポジウム 2025にて報告いたしました。リモート環境下で「会話内容を秘匿しながら、職場の雰囲気を伝達する」新たな音声編集技術の発表とデモンストレーションを行っております。

リモートコミュニケーションにおける音声情報の編集技術
リモートやハイブリッドワークの拡大により、居住場所の制限、長い通勤時間、高いオフィス賃料といった様々な問題から解放され始めています。一方で、社員同士が物理的に離れた環境で働くことは、帰属意識の低下、孤独感の発生を招き、個人の精神衛生だけでなく組織エンゲージメントにも影響を与えることが指摘されています。

私たちの研究グループはこの課題に対し、オフィスの”雰囲気”を音声を通じてリモートワーカーに共有するアプローチを検討してきました。

音声は他者の存在感を共有する上で有効である一方、会話内容がそのまま伝わってしまうという重大なプライバシー課題を伴います。先行研究では、会話内容を認識不能にする「無意味化」技術を開発していましたが、無意味化処理により声の感情的ニュアンスが失われるという問題が残されていました。

そこで本研究では、無意味化した音声に対して「感情情報を付与する」新たな音声処理技術を開発しました。これにより、オフィス側のプライバシーを保護しながら、リモートワーカーへ“場の雰囲気”を安全に伝達することが可能になります。ハイブリッドワークにおける帰属意識の低下や孤独感の緩和に資する、実務的意義の高い成果として期待されます。

▪️発表情報
「言語の意味に依存しない感情表現音声の生成手法:感情を付与した無意味化音声の設計と評価」
安藤有康(青山学院大)、橋本一生(ZENKIGEN)、小林彰人(日本工学院八王子専門学校)、南雲健人(青山学院大)、野澤昭雄(青山学院大)

▪️開催概要
開催名称:HCGシンポジウム2025(主催:電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーショングループ)
会  期:2025年12月10日(水)〜12日(金)
会  場:北九州コンベンション協会 北九州国際会議場(福岡県北九州市)
詳細案内:https://www.hcg-ieice.org/hcg-symposium/2025/

今後とも、ZENKIGENをよろしくお願いいたします。