お知らせ / 調査・研究
顔画像・瞳孔反応を用いた採用面接時の認知負荷推定に関する研究発表を行いました
2026年10月01日
ZENKIGENの主任研究員である橋本一生と、青山学院大学の野澤昭雄教授を中心とする共同研究グループは、採用面接中における候補者の状態を分析するための生体情報計測に関する最新の研究成果を、「ヒューマンインタフェースシンポジウム2026」にて発表いたしました。
近年、採用面接等において、表情解析や言語解析を通じた候補者・面接官の状態理解・分析技術が広く活用されています。一方で、表情や発話内容は意識的なコントロールが可能であるため、必ずしも対象者の真の内面を反映していないという課題も指摘されています。これに対し、神経・生理学的な状態変化は意識的な操作が困難であるため、客観的に内面を捉える指標として有効と考えられます。今回の発表では、一般的なPCやスマートフォンに搭載されているWebカメラを活用して生体情報を取得し、それらのデータから認知状態を推定する取り組みについて報告いたしました。
人の目には視認できませんが、人間の皮膚は心拍に連動して微小に色が変化(ゆらぎ)しています。この微小な色の変化や分布から心拍数・血圧を推定する技術に着目し、本研究でもその応用を試みました。しかし、一般的な測定環境では、照明のムラや皮膚表面のテカリ(鏡面反射)が精度を低下させる主な要因となります。そこで本研究では、信号処理を用いてテカリ等のノイズを効果的に補正する手法を検討し、計測精度の向上を図りました。
もう一つの取り組みとして、対象者が事前に準備した回答を思い出して話しているのか、あるいはその場で即興的に話しているのかを識別可能か検証いたしました。認知負荷と瞳孔径の変化に関連性があることに着目し、本研究では瞳孔径を計測対象としています。AI面接官との模擬面接実験の結果、事前通知済みの質問に対する回答時と比較して、その場で提示された質問に対する回答時に瞳孔径が拡大する傾向を確認いたしました。
これらの技術は必ずしも既存の表情解析や言語解析を代替するものではなく、相互に補完し合うことで、面接におけるコミュニケーション理解をより多角的に促進するものと期待されます。また、採用面接に限らず、多様なコミュニケーションの場面において人間の内面状態をより深層的に理解することに寄与できると考えております。
《発表1》照明反射補正を用いたRGB顔画像による認知負荷推定
山口航輝、南雲健人、野澤昭雄(青山学院大学)、小林彰人、橋本一生(ZENKIGEN)
《発表2》瞳孔反応および発話音声を用いたAI面接に関する認知負荷の解析
古尾谷健大(青山学院大学)、小林彰人(ZENKIGEN)、南雲健人、野澤昭雄(青山学院大学)、橋本一生(ZENKIGEN)
▪️開催概要
名称:ヒューマンインタフェースシンポジウム2026
会期:2026年9月16日(水)~18日(金)
会場:岡山大学津島キャンパス
詳細:https://jp.his.gr.jp/symposium/symposium2026/
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